機器展が始まりましたが、人が例年と比較して明らかに少ないです。ブース間の間隔も広いですし、各ブースのコマも比較的小さなところが多いです。アーティスト視点では、SOFTIMAGEがAutodeskに吸収されたこともあって、DCCツールのブースがまた少なくなった感じがします。
Simシリーズ、SPOREの開発者、ゲームデザイナーで有名なウィルライト氏の講演です。この方、講演ではおしゃべりなことで有名で、自分のヒアリングでは大まかなニュアンスしか把握することが出来ません(泣)ビジュアル満載なスライドとBy the wayでどんどんと変わる話題の内容は、ゲームデザイナー、プログラマー、プロデューサーと様々な面を持ち合わせているウィルライト氏ならではの視点でか語られており、非常に興味深く、面白いセッションでした。
今年は大きなブースに展示されているのではなく、ミーティングルームで小分けにされた展示でした。面白かった作品を見返すには便利でした。
・SCOPE
ヘッドマウントディスプレイを装着すると、フィギュアの台座に張られた2Dマーカーを参照して、アイコンを表示するARなフィギュア対戦ゲームです。表示されたアイコンを一定時間注視する事で、コマンド入力されます。攻撃は実写にCGが合成されます。ARの追従性が高くなれば。こんなゲームデバイスが出てくる事も考えられそうです。
・gCubic:Real Time Integral image Rendering for a Cubic 3D Display
キューブ型のディスプレイをテーブル状のディスプレイに表示されている生き物の上に置くと、キューブの中に3D化されて、生き物が表示されます。
・Crystal Zoetrope
クリスタルを回転させると、中に刻み込まれたイメージが動き出す、ゾーエトロープです。スリットから覗き込んだり、フラッシュ点滅する訳ではないので、ちょっと不思議な見え方がします。
・Photoelastic Touch:Transparent Rubbery Interface Using an LCD LCD and Photoelasicity
接触型バイスで押した力を感知します。上部から特殊なフィルタを装着したカメラで捉えると、押している部分の強さの分布が見られるという仕組みです。細かな接触にも捉えていました。
・Pull-Navi
相手の耳を引っ張られる事でナビゲートするシステム。こういう、ある意味それはないなぁと言うものが出てくるのが、このイベントの楽しさなのかもしれません。個人的に一番ツボにはまりました。写真の彼が持っているコントローラーを動かすとそれに対応した形で耳が引っ張られます。
・Interakutive Cooking Simulator
仮想的のステーキ肉をフライパンと返しのデバイスで上手に焼き上げます。以外とうまく操作できなくて、ステーキが落っこちてしまう事も。上から覗き込むようにすると、プロジェクタからの映像が見えるようになっています。
・Touc de Pen
ディスプレイに表示されたオブジェクトをつついたりすると、衝突の反応が手にフィードバックされます。位置情報は小型のモーションキャプチャカメラを使用しています。ゲームにも振動するデバイスがありますが、フィードバックをより感じさせるような目的で、こういった研究が応用される時が来るかもしれません。
景気の影響か機器展は規模が小さくなって人も少ないように感じました。モーション系でバイスは特に目新しいものは見かけませんでしたが、全体的に3D表示のデバイスが多くなったように見受けられます。こちらでは3D映像コンテンツがはやっている事もあり、デスクトップでの確認に関してはある程度需要があるのかと思います。
・OPTI TRACK
すっかりおなじみになった、低価格・小型モーションキャプチャシステムです。全身とフェイシャルのデモンストレーションを行っていました。年を追う毎にブースがだんだん大きくなっています。
・Autodesk
2010シリーズのデモンストレーションを行っていました。MAYA、3dsMAX、そしてSOFTIMAGE、取り扱っているDCCツールが多いのに反して、デモンストレーションを随時見ることが出来るPCが設置されていないので、デモの時間に見に行くしかないのがちょっと大変だったです。今年は大々的なユーザー会が無かったので、新しい情報はとりにくくなっています。
・PIXAR
PIXARのブースはUPのセットでした。ユーザー事例紹介も行われていました。
・Motion Analysis
こちらのモーションキャプチャデバイスは今年はデモンストレーション無しでした。大きなステージでモーションキャプチャシステムのデモを行っていたのはOPTI TRACKとXsensだけでした。VICONはブースさえもないのですが。。。。
・Xsens
ジャイロ式モーションキャプチャシステム。このデバイスも定番化しつつあります。カメラセッティングや撮影環境に制限が無いのが利点です。
・Leonar 3Do
立体視とそれに対応したポインティングデバイス。スカルプティングの体験が可能でした。
グラスファイバーを使用した全身と手のモーションキャプチャシステム。チューブの曲がられ具合で、関節の回転をだしているそうです。データはWifiでPCへリアルタームで送られるそうです。背中には送信機、ちょっとザクになったような気分?
・nvidia
スケッチコンテストが復活してました。GPUの出荷状況がカウントされていましたが、これってリアルタイムなんでしょうか。。。。
・Superb Stereo 3D
制作環境向けの立体視ディスプレイです。映画のCGは3D立体視のトレンドがあり、立体視の具合を確認しながらの作業ができる環境のニーズがあるのかもしれません。コンテンツを造る側にも3D立体視の流れが来ているのでしょうか。
・hdri hdrv
全天HDRの収録が可能な静止画撮影システムとHDRビデオシステムです。静止画のシステムは取り付けられたレンズを360度回転させて、全天のイメージを収録します。
・INTERSENE
CG空間をカメラファインダーに表示させて、直接カメラアニメーションをカメラに似せたデバイスでリアルタイムに収録するシステムです。このカメラ型の他に、液晶を取り付けたハンドルのような形のデバイスもありました。
・dimensional image
イメージベースで顔のモデルを生成して、メッシュから顔の動きをデータ化するキャプチャシステムです。顔の動きは各特徴点の移動位置にできるようです。日本ではサービス展開とかしていなかったと思います。
ということで、今日は目当てのセッションが大外れなこともあって、ギャラリーと機器展を見て回りました。夜はSIGGRAPH東京のパーティーに参加の後、バーボンストリートでさらに一杯飲みました。(なんだかビールの消費量が日を追う毎に増えています。)帰りにnvidiaのパーティーに遭遇しました。人があふれて道にまで出ています。ニューオリンズは外でもお酒を呑んでOKなので、外でも問題無しという事です。