いよいよ最終日です。カンファレンスで面白いセッションがありました。「タイムマシン」のメイキングなのですが、Digital Domein のHoudini使用例紹介のような内容でした。
タイムマシンのハイライトエフェクトシーンデジタルキャラクタが徐々に骨になって崩れさるエフェクトですが、レーザーのデジタルスキャンでは、アクターの衣装が複雑なデザインであること、髪の毛がロングヘアーで取りこみ結果が良好でないことから、デジタルキャラクタを0から作成するワークフローに切り替えたそうです。序々にばらばらになることから、きちんとした骨、筋肉の構造をもったキャラクタがMAYAで作成、アニメーションが付けられ、ばらばらになるエフェクトはリジットダイナミックスでアニメーションが付けれれていました。
また、髪の毛の表現では、Houdiniで作成されており、MAYA<>Houdiniのデータ連携が上手く取られています。ここの部分はとってもうらやましかったです。(^^; 意外と良く見られるエフェクトシーンでも、そのルックス等で随分と大変なアプローチを取らなければならない場合があるのですね。タイムマシンが作動して、外側の世界がどんどん時間が経過するエフェクトで、植物の成長の部分はHoudiniのL-systemが使用されていました。なんだか半分以上が L-systemの講義みたいな感じでしたが。(^^;時間の経過、季節の設定などをCHOPと連携している点、また建物に沿わせて成長するシーケンスをProjection-SOPでコントロールしていました。 ロードオブリングの洪水のエフェクトシーンの製作例ではオリジナルの流体計算ツールから得たデータをオリジナルのSOPを使用してボリュームレンダリングを行った部分が紹介されていました。馬、アクターは実写とデジタルの両方が用意され、キャラクタアニメーションはMAYAが使用されていました。ここでもMAYA<>Houdiniのパイプラインツールが紹介されていました。こうした得意部分を使ってイメージを作成するのが普通に行われているようです。
来年の開催場所はサンディ工ゴです。ここもまだ、行ったことが無いのですが、良い所だという話は、聞いています。なんでも、かなりリゾートしているとか…
最後のカンファレンスはノンフォトリアリスティックの論文発表です。これはここ数年、最後に開かれるセッションということもあり、必ず参加していた論文発表なのですが、だんだん色々な画風(というのか??)の発表が出てきており、表現部分での幅が広がっているような感じを受けました。注目する部分ほど細部を描きこみ、その他は大まかにフィルタをかけて、全体的に石版画のような表現をレンダリングするという発表は面白かったです。またイメージを細かなオブジェクトに分解して、これをIKを動かすように変形を行うという論文発表がありましたが、これがそれらしくオブジェクトの変形が行われていて、びっくりしました。そのうちPhotoshop を使うのにも、OpenGLをサポートするボードが必須になったりして・・・(笑)
これで、今年のSIGGRAPHがすべて終了しました。1年空けての参加は初めてだったのですが、変化が大きく感じますね。また、今回は初めて単身での参加でこれも貴重な体験でした。来年は一応行くつもりでいます。やはり行ったのと行かないのではその後1年の自分の中での考え方が随分変わると思いました。日記をやるかどうか・・・はその時にならないと分からないですね。(^^;