Houdini Ver7.0の新機能がSideEffectsのサイトで紹介されている。メジャーアップデートだけあって、インターフェースから各モードまでくまなく改良されている。サイトを見ながら、改良点、新機能を少し触ってみた。
●Take Manager
1つの.hipファイルでパラメータに複数のバージョンを設定することが出来る。今までなら、ちょっとした動きやアトリビュートの違いを比較したい場合などは、シーンを分けておく必要があったが、テイク・マネージャーを使えば、1つのシーンファイルで複数のバージョンを切り替えて見ることが出来る。使い方も簡単。まず、PaneをTakeListに切り替える。
Add Takeでテイクを追加する。パラメータウィンドウでパラメータのタイトルをTakeListのテイク名へドラッグ&ドロップすれば、テイクでパラメータのコントロールが出来るようになる。
テイクは並列に作成する以外にツリー構造に作成することが出来るので、比較するパラメータ毎にツリーにしておくと分かりやすくなるかもしれない。またテイクをSave/Loadが可能なので、たとえば、モデルのバージョン違いを作成して、テイクをSaveし、ライティングのバージョン違いを別のテイクで並列に作成、それぞれのテイクにモデルのテイクをLoadするといった使い方が出来る。細かなバージョン違いを系統立てて、簡単に作成、素早く切り替えながら比較検討できる。
●Snap to Orientation
スナップのオプションにスナップするオブジェクトの法線方向に沿うようにスナップさせるオプションが追加された。
SnapOpstions…から設定することが出来る。
●Rivet Object
リベット・オブジェクトは他のオブジェクトのポイントグループに追従する。3点のポイントグループを指定すると、これら3点で形成される面の法線方向に傾きが調整される。1点のみの場合はワールド座標に沿うように調整される。
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●Sticky Object
スティッキー・オブジェクトはオブジェクトのUVデータを参照して配置される。テクスチャの柄と連携した位置あわせなどにも使えるかもしれない。エフェクトの製作に役立つだろう。
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●Transform Handle
オプションにジンバルモード、常にワールド座標軸沿うモードが追加されている。TransFormハンドル上で左ボタンクリックでメニューを表示、オプションのチェックボックスを入れるとモードが有効になる。
●バウンディングボックス表示
表示オプションにバウンディングボックス表示が追加された。表示オプションでWireframe Bounding Boxを指定するとオブジェクトの表示がバウンディングボックス表示になる。
●Tumble Options
Alt+左マウスクリックで、垂直or水平にタンブルをロックすることが出来るようになった。
●オペレータの接続、切断、パラメータの設定
複数のオペレータを選択状態にして、一度に接続、切断を行えるようになった。パラメータを変更すると一度に複数のオペレータに同じパラメータを設定することも出来る。また、同じネットワークを複数ウィンドウで開いて、ウィンドウ間でオペレータの接続が行えるようになった。これはとても便利だ。特に複雑なネットワークになりがちなキャラクタ・セットアップでは重宝するだろう。
●Network box
ネットワークビューにウィンドウを切って、任意のオペレータをグルーピングすることが出来る。ボックスは小さく折りたたむことが出来る。関連項目ごとにネットワーク・ボックスを作成しておくと、コントロールするオペレータを素早く見つけることが出来るだろう。
設定方法はグルーピングしたいオペレータを選択状態にして、Ctrl+左マウスボタンでメニューを表示する。Create Network Box From Selectedを選択すると、ネットワーク・ボックスが作成される。
既に作成したネットワークボックスにオペレータを追加でグルーピングしたい場合は、ネットワーク・ボックスにオペレータをドラッグ&ドロップするだけで設定できる。グループからはずしたい場合も同様にオペレータをネットワーク・ボックスの外にドラッグ&ドロップするだけで良い。