Houdini9.5のPublic Betaの配布が開始された。このバージョン、何といっても、Mac版リリースに向けての最終段階ということで、ノートPCがお亡くなりになったのをきっかけにMacBookProでMacerに返り咲いたほどの自分としては、いつになったら開始されるんだろうか、と気にしていた。この休みにやっとインストール、ちょこちょこと色々いじってみているのだが、ガラッと変わってしまったインタフェースに長いブランクがあったので、使い方で振り回されている、といったような、状況・・・予定では7月15日に正式リリースされるとサイトで説明されている。今年のSIGGRAPHではH9.5のデモンストレーションが行われるってことですね。
MacOSX Leopardに対応
単にMacOSで動くようになりました、意外のMacOSらしさを感じさせる調整が加えられている。QuitckTimeに対応はもちろん、ドラッグ&ドロップにも対応しているし、ドックのHoudiniアイコンもMacのソフトウェアっぽい。なんだか、元々MacOSがプラットフォームのような感じ。個人的には、ファイル周りのウィンドウがあれほど頑なに、オリジナルのUIを採用していたのに、Mac版では、素のMacOSのファイルブラウザになっていた。
Autodesk FBX Export
個人的にこれが一番注目していたんですが・・・MasterとEscapeだけの対応なんですな。考えてみれば、FBXで色々やり取りできてしまうと、非商用の意味がなくなってしまうからなぁ・・・ジオメトリやUV、アニメーションといった一般的なエキスポートから、ボーン、パーティクルなどにも対応しており、様々なデータをFBXインポート機能を持ったツールに持っていくことが可能になっている。
FBXの他にイラストレータのepsインポートが復活。確かPRISMSではサポートしていて、意外と重宝していた記憶がある。.MDDフォーマットの出力でlawデータで他のツールへのエキスポートにも対応。
Ramps
グラテーションを作成する際の、パラメータ・インタフェースが使いやすくなっている。キーカラーをアニメーションできるようになったのは、動的に変化するエフェクトやシェーダーのカラー情報を作るのが効率よくできるようになるのではないかと。
Fracture and Debris Tools
Houdiniのリジットボディ・ダイナミックスの機能として支持されているものに、壊れる状態の前、要はパーツ毎にバラバラになる前の、組み立てられた状態を保持するというものがあるらしい。(すみません、この辺りのバージョン、全くいじってなかったりする)9.5ではこの機能をより簡単にセットアップでいるよう、モデルをソリッドな破片に分割するツールとか、簡単に組み立てられている状態を保持するツールが新たに加えられている。そういえば、すごい昔にHscriptで各破片をきちんと組み立てられた状態に組み直すオペレーションを作成したっけ・・・
Wave Tools
Waveデフォーマーでパーティクル流体シミュレーションをコントロールすることが出来るように・・・ちょっとイメージできないんですが、シミュレーションにより直感的なデフォーム変形の効果を付加することが出来るってこと?
Fire and Smoke Tools Fur Workflow
流体による火やスモークのシミュレーションのセットアップをシェルフメニューから、手順にそって操作するだけでセットアップできるようにサポート。ノードベースのアプローチは複数のノードが組み合わさって、初めて機能するっていうものが結構多いので、ベーシックな表現をこうしたシェルフ機能として提供してくれるというのは、MAYAっぽいですね。Furのセットアップに関しても同様にシェルフでのセットアップを提供している。アニメーターでも設定できると説明にあり。
Viewport Shadows and OpenGL 2 Support
OpenGL2に対応で、ハードウェアレンダリングでライトや影の状態を確認できるようになり、ライトのポジション設定が楽になった。
Digital Assets
ロックされたDigital Assetsの中にノードを作成して、編集することができるように。PaintとかEditのような直接的にデータを操作するようなオペレータをアセット内に組み込むための機能のよう。よりカスタム・アセットの自由度が高くなった。・・・しかし、海外の方々はこんな機能までオーダーして、いったい、どんなトンデモ・アセットを作るつもりなんでしょうねぇ・・・
Volume Utility Nodes
ボリューム・レンダリング・システムの強化。
Wedge Render Output
カメラ撮影でいうところのブラケット機能に似たようなもの。パラメータを少しずつ変えて、自動的に複数のショットを繰り返しレンダリングして最適なイメージを検証するというアプローチ。
Script SOP
ありそうで、無かったオペレータ。今までだと、Logic CHOPを使ったりと姑息なアプローチで実現していたものをストレートに実装。今までの方法でもいいじゃん、という意見もあるかもしれないが、説明によると、 データをキャッシュすること無く、ただ単にスルーパスするだけ、スクリプトを実行するというものなので、今までのアプローチよりライト・ウェイトならしい。これで、インタラクティブ作品のプラットフォームとして復活か??