ジーディーシー日記2009 -090326-

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EXPOもにぎわっています。アーティスト系としては、今年はAutodeskが出展しているところが大きいです。Autodeskはツールだけでなく、ミドルウェアの開発も行っており、今後ゲーム系ならではの出展内容が強くなってくる事が予想されます。<

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GEAR OF WAR2のカットシーンのパイプライン事例です。講演さている方が10数年のTV、フィルムでのプロダクションワーク経験のバックグラウンドを持っている方で、映像業界からゲーム業界への人材流動というのが北米ならではと感じました。前作のカットシーンが状況説明的な内容、シングルカメラ、多少のフェイシャルだったのに対して、GEAR OF WAR2では、よりストリー性を重視した内容とフィルムのような複雑なカメラ演出、大規模なシーンなど全体のクオリティアップが図られ、このためにパイプラインが構築されたそうです。

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パイプラインシステム自体は、私が関わっている仕事とさほど大きな違いは感じませんでした。
モーションキャプチャを収録する際にキャラクタのレイアウトをしっかり決めて撮影する
仮収録のボイスに合わせて演技を収録する
トピック的に紹介されたこうした方法は、このシリーズでは新しい試みとして紹介されていますが、日本のゲーム開発では、以前から採用していたりします。
モーションキャプチャデータをレイアウトした時点で1回、セカンダリアニメーションを追加した時点で1回、フェイシャルアニメーションを追加した時点で1回、ファイナルの状態で1回と4回ものチェックパスが設けられているという点は、段階ごとにチェックが多いと感じました。
このセッションに参加して、海外と日本のパイプラインの違いについて改めて考えさせられました。海外のゲーム開発、映像製作のプロダクション事例を見ると、パイプラインをきっちり構成している印象があります。日本でも同様にパイプラインを構成してプロジェクトを進めていきますが、日本の場合「誰が何をするのか」、仕事の分担でグレーな部分が存在していると感じます。パイプラインに隙があるというのでしょうか。例えば、「アニメーションのセクションリーダー」といった立場の人間は何をするのか?意外と明確にこれとこれを行う、これは行わないと明示されることは少ないと思います。海外の場合、各人のすべきことが契約的なレベルで明示されています。どちらが良い、悪いということは一概には言えませんが、
現状、グレーな部分は個人の努力やスキルに頼られている事が多いです。大規模なプロジェクトでこれが歪みの要因になっているのではないかと思います。

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●Solid Game Design: Making the ‘Impossible’ possible

内容自体は1月にDIGRAで行われた内容とほぼ同じものでした。ハードウェアの進化、ソフトウェア技術の進化、そしてゲームデザインのアイデアを組み合わせて、メタルギアシリーズがどのように進化してきたのか、といった内容です。この中で小島監督が述べている近年の海外タイトルの特徴として、技術先行のゲームデザインをあげているのですが、MELTALGEAR4に至までのゲームデザインの変遷では、ハードとソフトの技術的底上げが貢献する割合が多くなってるように思えて、海外の技術先行のゲームデザインに近いなと感じます。今後、どういったアプローチでタイトルを制作していくのかが興味深いです。NEXT MGSの文字はサービス?

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●Self-Limiting Rigging Methology Used GOD OF War
GOD of WARシリーズでの自動RIG生成システムに関して、どういった考えでツールが構築されていたか、技術的な事ではなく、考え方、哲学的な内容でした。RIGを作っている人にはRIGを作る上でのコンセプト面で参考になる事が結構多かったように思えます。
コンセプトは自ら機能や条件を制限する代償として拡張性や問題解決のしやすさ、パフォーマンスを得ることが出来るといった考え方でした。シリーズ1作目ではスタジオの規模が小さく、アーティストがデザインニングからモデリング、キャラクタセットアップ、アニメーションと、分担を兼任する事がく、テクニカルアーティストの部署が存在しなかった事が、今回紹介するRIGの自動生成環境を構築するきっかけとなっているようです。そういった面では、現状の日本のゲーム会社でも、キャラクタセットアップに関して参考になるエッセンスが多くあるセッションでした。

・ローテーションのオーダーをXYZに限定する
・ジョイントのオリエンテーションを0,0,0にする
・コンストレイントの使用を極力避ける
・ジョイントのトランスの使用を極力避ける
・Expressionの使用はプロトタイプを素早く作ることが出来るが、リグ完成後はアニメータが使用する場合に混乱の原因になりやすい
・手順は1回のクリエイトだけで使用方法を覚えられるよう心がける。

このような法則でRIGの自動生成環境を構築する事で、使い勝手の面でパフォーマンスが高く、メンテナンスの柔軟性があり、安定した環境を構築競ることが出来ると述べています。前述したように、大規模のプロジェクトではなく、ある程度の規模でアニメーションを兼任して制作を行うような状況における1つの考え方といえます。このような考え方にもメリット・デメリットがあり、RIG環境においてプロジェクトにとって何が重要なのかをきちんと見極めなければならないという良い例でした。

●The Brutal Art of BRUTAL LEGEND
今年の秋に字発売されるオープンワールドなストーリーベースのアクションゲームにおけるビジュアルアートの事例です。実機上でのトレーラーも上映されており、アートコンセプトがどのようにリアルタイムCGとして表現されていくか、そのプロセスも追っている面白い内容でした。
このBRUTAL LEGENDというタイトル、ヘビーメタルとホッドロッドといったものがキービジュアルとなる世界観で魑魅魍魎を蹴散らしながらステージを進めて行くといった内容で、暴力表現が少し過激な感じなのですが、細かな世界観の作り込みとそれを技術的にきちんと落とし込んでいる印象を持ちました。今までのオープンワールド型タイトルというと、リアリスティックを追求する傾向が強いのですが、デザイニングした世界観をプロシージャルな手法で表現しています。ヘビーメタルなEpic Skyエディタはコンセプトアートそのままにヘビーメタルっぽい(?)抽象的な空の表現がジェネレートされています。
地形に関してもキーとなるミッションエリアとそのほかでの作り込みのレベルを分けたり、広域的な植物の配置にサーフェースに焼き付けたアンビエントを活用したりとプロシージャルな手法が活用されています。キャラクタのシェーディングにもディティールがきれいに表現できるアンビエント部分の生成方法といったようなデザイニングした絵作りが特徴的です。トレーラーを見るとビジュアルコンセプトが個性的なところがどうしても先行しがちですが、リアリスティックな方向性が多かったオープンワールド型ゲームに対して、デザイニングしたビジュアルコンセプトをプロシージャルな手法で落とし込んでいる点が興味深いタイトルです。EAからリリースされる予定なのですが日本での展開はあるんでしょうか。。。

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GDCも残すところ後1日。本日のアフターGDCは昨年も行ったカニをいただきに行きました。観光ガイドにも掲載される有名なお店ですが中心街からはかなり離れた場所にあります。にもかかわらず、日本人が今回も多かったです。半分以上はゲーム業界の方かと。(笑)