ジーディーシー日記 2012 5日目

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最終日です。やはり2週間の視察はジリジリとダメージが来ていますw セッションの開場はこんな感じです。私が参加していなかった2年間、Westでのカンファレンスが無かった年もあったそうですが、今年はWestとNorthに分かれていて、自分にはおなじみの感じとなっています。一部会場が狭い部屋があって、一杯になる事もありますが、大体座ることが出来ました。ちょっと薄暗い部屋でずっと英語を聞いていると睡魔に襲われますw

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●Exithbition
今日までセッションづくしでExtibitionを見ていなかったのです。ブースでの打ち合わせもあって、今日開いている時間に一気に見てしまう作戦を取りました。が、最後に来たときより若干大きくなっているような。。。
入り口を入るとPlaystationのブースがででーんとあります。

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オートデスクのブースではGameWareという総称でDCCツール、ミドルウェアを紹介していました。今回は新しいバージョンの発表はなしです。

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Optitracのブース。MOCAP関連でリアルタイムプレビューを大々的に行っていたのはここだけでした。ハイエンドパフォーマンスクラスのカメラもありました。比較的小規模のエリアのスタジオに向いています。フェイシャルトラッキングの専用ツール等当初のローエンドボディーキャプチャのみの構成から、本格的なスタジオワークを総合的にカバーする構成に拡張されて来ています。

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Xsensのブース。光学式とは異なり、専用エリアを必要としないため、ブースは小さいですが、リアルタイムデモも見ることが出来ました。MVNシステムはMOCAPデータの欠損が仕組み上発生しないため、サクッと動きを収録してPrevisやアニメーション素材として使用するような制作スタイルに向いていると思います。日本での販売価格がもう少し安くならないもんでしょうか。。。

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Extibition会場で最も賑わっていたブースと言いうと、間違いなくIndepende Game Festivalのブースでしょう。アワードを受賞したタイトルが遊べます。ムービートレーラーを上映するセッションがあったのですが、満席で入れなかった人が多数いたとか。こちらでのインディーゲームの盛り上がりはまだまだ衰えていません。

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モーションキャプチャサービスの会社です。右側のCGキャラクタは別の場所にあるMOCAPスタジオからストリーミングして動かしています。ディスプレイの上にあるwebカメラを使って来場者と掛け合いをしてました。これはちょっと面白いデモンストレーションです。

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Crytecのブース。ChineBoxの実働しているところを初めて見ました。CryEngine3を映像業界、Previs向けにパッケジングしたものです。MayaからポイントクラウドデータをExportするアプローチで、CryEngineのシミュレーションでは高負荷のかかるような表現もOKになっています。基本的にリアルタイム60FPSで再現する必要が無いという判断で、パフォーマンス無視の機能てんこ盛りな構成になっているそうです。どんなユーザーを想定しているのかは不明。。。

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Unityのブース、でかいです。勢いを感じますね。リリースされているゲーム以外にツールの展示もしていました。個人的に興味があったのは、隣のブースで展示していたUnityで使用するAIツール。Unity同様にサクっといろんなことが出来そうです。

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●Outsourcing Uncharted3

アンチャーテッド3のアウトソーシングに関するセッションです。アートアセットの殆どがアウトソーシングされているという話は聞いていたのですが、あれほどのボリュームをどのような体制でゲームデザインと整合性を合わせつつ、制作していたのか興味がありました。

Nothtydoc内の人員構成はモデラー10、テクスチャ10、コンセプト3、プロップ、ダイナミックス4とタイトルの規模から考えると、非常に小さなチームにまとまっています。これらのスタッフは後述する、アウトソーシングベンダーがアートアセットを作成する上で必要となる、細かな指示資料を作成して、出来上がってきたアートアセットへのフィードバックをおこないます。またチャンクやメモリ管理も一緒に行うため、実機に組み込んでみたが、描画が重くなってしまうといった状況は事前にコントロールされています。
アートアセットの制作が開始する前のプロダクションワークレベルでは、ストーリーを完成させてから、アートアセットのためのデザインワークが開始します。デザインワークはいくつかに区分されており、区分ごとに完成したアートデザインからアセットのアウトソーシングが開始されます。このサイクルが連続的に時期をずらしてつながることで、アウトソーシングの作業が滞りなく進行するようになっています。一見、一般的な事のように思えますが、ゲームの軸となるストーリーを完全に完成させる事で早い時点でアセットのボリュームがどの位必要になるのか、早い時期に把握する事でアウトソーシングの規模を明確にしています。
制作するアートアセットはアートパックと呼ばれる詳細な指示書によって、発注されます。イメージボードやキャラクタとの早退的な大きさの指示、プロップであれば部品ごとの質感のリファレンスなど、このアートパックを参照すれば、間違いなどはっせいしないほどの詳細な内容になっています。

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キャラクタとのインタラクションのある背景に関しては、シンプルなポリゴンで構成されたブロックメッシュが提示されます。ブックメッシュとアートワークを基に、背景が作成されますが、この時点ではゲームデザインは完全にFixしていません。大まかなステージ構成は決めつつ、ステージを構成する詳細な部分はアートワークのディティールとも絡めて決め込んでいくように思えます。

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出来上がったアセットに関してリテイクを指示する場合、殆んどの指示がイメージによって指示されています。リテイクの指示は半日でアウトソーシングチームへ反映されて、一部のテキストによる指示内容に関してもイメージ指示と時間をおく事なく翻訳されます。アウトソーシングの会社は中国など英語圏で無い国もあるわけで、こうしたレスポンスの早さは重要なのではないかと思います。ワークフローの仕組みをきちんと構築すると同時に、提示したものがきちんと完成しているのか、ベンダーとレスポンス良くコミュニケーションを密にとることも、アウトソーシングを成功させる重要な事ではないかと思いました。

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ということで、GDC1012が終了しました。今回は最終日にどっぷりExithbition会場にいたので、最後の最後で恒例の終了余韻全くなしの、終わったところからサッサと撤収攻撃を受けて、最後はゴツイ兄ちゃんに早く会場を出るように急かされてしまいました。

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そして最終日恒例の日本人飲み会。今回はスポンサーさんがついてなんと会費がワンコインです。ドリンクもついているからかなりお得なイベントです。瞬間でチケットがなくなったとか。。。今年は日本からの学生さんの参加も以前より多く見られました。日米クリエイター交流会などアフターCEDECのように定番化しつつあるイベントが幾つかあるのが面白いです。