シーグラ日記2010 7月26日

R5090355今回滞在しているホテルはコンベンションセンターから20分ほど歩いた距離にあります。そこでコンベンションセンターとホテルを専用シャトルバスで移動するのですが、このリストバンドをしていないと、シャトルバスを利用することが出来ません。SIGGRAPHのサイトからホテル予約をする支給されますが、SIGGRAPHのSHOPで$75で購入する事も可能です。。。そう、このゴムバンドが$75もするんです!!

●Editing Motion
アニメーション編集の新しい手法を提示したテクニカル・ペーパーです。昨年までanimationという大まかな括りでしたが、今年はモーション・プランニングやキャプチャなど細かく構成されています。

・Interactive Generation of Human Animation With Deformable Motion Models
空間にアニメーションのパスを描く事により、直感的にアニメーションデータを編集する環境の提案です。例えば、普通に歩くアニメーションに対して腰のパーツを選択して、腰の位置が低くなるようにパスを描くと、中腰で歩くアニメーションになるように他の部分も含めてアニメーションが調整されます。また、パスの長さを変更することでステップの幅を変更する事も可能です。パスのストレッチを行っても、タイミングは保持され、足のスリップが発生しません。モーションキャプチャ・データの編集に適しているのではないかと思いました。

・Spatial Relationship Preserving Character Motion Adaptation
例えば柔道やレスリングなど、対キャラクタの関係があるアニメーションに関する、新しいリターゲット手法の提案です。通常のアニメーション・リターゲットはキャラクタの骨の長さを参照して、データをリターゲットしますが、この論文で発表されている手法では、キャラクタ間の関係も参照しています。例えば、肩に手を回すといった動作をこの手法でリターゲットした場合、背丈や肩幅が変わっても、肩に手を回すという動作は破綻なくリターゲットされます。胴回りの異なるキャラクタでも同様です。
応用例として車に乗り込むアニメーションのリターゲットをの入り口やシートをボーンで構成して、動かないキャラクタとしてリターゲットを行っていました。物理的な仕組みは組み込まれていないので、あくまで、入力されたアニメーションの異なる体格間での再現でしかありませんが、色々と利用用途はありそうです。

・Face Poser: Interactive Modeling of 3D Facial Expressions Using Facial Priors
3Dペイントのようにフェイスのメッシュにコントロールするパスを描き、これを移動する事によって、簡単、直感的にフェイシャルアニメーションを作成する仕組みです。口の部分をコントロールしても、関連する部分が連動して変形します。フェイシャルキャプチャを収録してprior modelを事前に計算しています。RIGなどの仕込みが不要な反面、適切な変形を実現するためにどの程度のモーションキャプチャデータが必要なのか興味深いところです。入力が簡易的になるという点で、事前の準備が簡略化されれば、イメージベース・フェイシャルキャプチャの用途に使えるようにも思えます。

 

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本日の昼食はチキン・ナチョスでございます。。。破壊力満点な一品。すみません、少し残してしまいました。$9.0なり。コロナビールが欲しかった。w

 

●Making of Avator
今年は『アバター』関連のセッションが多いです。午前中にもセッションがあったので、『アバター』漬けな1日にも出来ます。このセッションはCOMPUTER ANIMATION FESTIVALのプロダクション・セッションのためなのか、アーティスト向けにテクニカルな内容が押さえられた構成でした。
いくつかのシーンを事例にパフォーマンスキャプチャから低解像度モデル、コリジョンやダイナミックスの追加、ライティングなど各工程の解説が行われました。イメージベースのフェイシャルキャプチャやバーチャルカメラなどの新しい手法の導入よりも、これらの手法を取り入れる理由が早期のディレクションに関する意思決定と各工程に明確にそのコンセプトを継承する目的であるという点に新しさを感じました。こうしたパイプラインの源流、コンセプトから工程を考えた結果として、前日のセッションで紹介された、フィジカルベースのボディRIGといったものが生み出されていると思わされます。

 

●Face & Capture
フェイシャルキャプチャに関するセッションです。(1件だけボディキャプチャでした)マーカーレス、イメージベース、機材の低コスト化といったトレンドが見られました。このセッションでは高解像度のイメージを活かして、細かな皺までモデル化したり、顔のディティールをトラッキングポイントにするなど、HDカメラから得られる高解像のイメージデータを活用した様々なアプローチが紹介されました。フェイシャル・キャプチャはボディキャプチャとは異なり、個々の顔の特性が異なる事から、直接マーカーを読み込むのではなく、顔の動きをデータベース化して、これを利用する方法が、その後のキャラクタモデルに対するリターゲットやコントロールの面でメリットが多いのではないかと個人的には感じています。HDカメラが一般化した事によって、高解像度のデータをより手軽に得ることが出来るようになった事は、研究分野だけでなく、今後は制作現場にも何かしらの影響はあるように思えます。

 

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セッション終了後にELECTRONIC THEATERへ。今年は自由に入場する事が出来るようになっています。シアターは一番大きいセッション会場を使用しています。初日初回という事もあってか、会場ホール前に長い行列ができました。規模は小さくなっても、お祭りな雰囲気は例年通りですね。

 

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本日のディナーはPANTRY CAFE。24時間いつでもステーキを喰らうことが出来ます。本日頂いたのは、テンダーロイン・ステーキ。コールスロー、ポテト、グリンピースの山盛りが無条件で付きます。お肉は何も味付けしていないので、お好みで塩こしょう、ステーキソースで頂きます。醤油を持って行くと良かったかなぁ。。。コンベンションセンターからの帰り道にあるので、ELECTRONIC THEATER帰りのお客さんが多かったようです。