TouchDesignerには安定版と日々更新する公開β版があります。プロ版、フリー版どちらも用意されています。日々の問題や要望に対して早いレスポンスで対応してくれるのは、うれしいことなのですが、フォーラムコミュニティーにUPされているバージョンが公開β版でUPされていたり、安定版と公開β版でファイルの互換性が保障されていない、という問題があります。
こうした状況に対応するためには2つの異なるビルドをインストールする必要があるのですが、デフォルトのインストールでは前にインストールしたビルドに上書きされるようになっており、2つの異なるビルドを共存することができません。Derivativeのフォーラムに異なるビルドを共存させる方法が紹介されていました。そのままの手順では自分のPCではうまくインストールできなかったのですが、いろいろ試したところ、以下の手順でインストールすることができました。
1.まず、公開β版をインストールします。インストールのウィザード画面でインストール先をデフォルトのフォルダ名と違うフォルダ名にします。デフォルトは「TouchDesignerPro.077」ですが、たとえば、ビルド番号を末尾に加えて、「TouchDesignerPro.077_7940」のように変更します。
2.安定版をデフォルトの状態、或いは1と同じようにデフォルトと異なるフォルダ名を設定してインストールします。
3.デスクトップのショートカットを削除します。Program Files/Derivative/インストールディレクトリ名/bin/TouchDesigner.exeからショートカットを作成します。
TouchDesignerのインストーラーはProgram Files/Derivative/TouchDesignerPro.077 のbinフォルダを新たにインストールする際に消去する仕様になっているようです。これをフォルダ名を変更、ごまかすことでbinフォルダを消去しないようにしています。2つのTouchDesigner.exeが存在するので、ファイルを選択しての起動はファイルをショートカットにドラッグ&ドロップすることでビルドを指定します。上記の公開β→安定版の順番でインストールしたのは、ダブルクリックで起動するビルドは最後にインストールしたビルドが設定されるためです。
これで、2つのビルドを共存することができますが、異なるバージョン間でオペレータのコピー&ペーストには多少問題があること、なぜか自分の環境ではインクルメントセーブができなくなったなど、いくつか問題を確認しました。作成したファイルが壊れるなどの問題は今のところありませんが、自己責任でのインストール方法と認識お願いします。異なるビルドの共存は開発側で正式に対応してほしいところですね。
【追記情報】
Derivativeのフォーラムで記述されていた内容でインストールが出来なかった事をポストしたところ、やはり、インストール先のフォルダ名を変更すると binフォルダが削除されないようです。つまり、複数のバージョンを使用する方は、インストールする際には、フォルダ名の末尾にビルド番号を追記することを習慣化しておくと良いようです。