シーグラ日記`99 -8.14-

帰国する日です。今回のお宿のウェスティンボナベンチャーホテル。映画てトルーライズにロケで使用されたホテルです。エレベータがおりる時に恐いです。このホテルはコンベンションセンターからも近いため、シャトルバスの待ち時間が少なく、大きなホテルなので、ユーザーミーティングやパーティー会場に使われることが多いので、いろいろな面でSIGGRAPHで利用するには都合が良いことが分かりました。再来年のLAで行われるSIGGRAPHはここで決まりですね。(笑)

で、もう搭乗口でひと休みの様子。搭乗手続きも終わり、免税店ででお土産も買って、後は飛行機に乗って帰るだけです。個人参加でも毎年参加していたとしてもこの時はやっぱり、ちょっとほっとします。今年もいろいろな面で非常に刺激となったSIGGRAPHであったと感じ、また来年も必ず参加すると決心するのでした。(笑)
さて、来年は「ガンボ!!」のニューオリンズ。やっぱりカキを食べるんだろうな。(^^:

今年のSIGGRAPHはデザイナーと言う立場から見て、非常に地味ではあるが変化が大きく見られた年だと感じました。それは映像製作において市販ツールのカスタマイズによる活用が多くなった点です。昨年までは非常に高度なオリジナルプログラムやプラグインによって作成されていたものが、今年はスクリプトレベルでの制御で行われている例が数多く紹介されていました。それだけプロユースでの高度な要求に市販ソフトウェアの対応が十分になってきたという現れではないかと思います。また、ソフトウェアメーカーのブースに於いては、大々的なユーザー事例発表が行われるようになり、ある特定のソフトウェアに関するトピック的な情報収集ができるようになったのも、ツールのユーザーとして大きな収穫となる場合が多くなりました。
近年では日本でも数種類CG専門雑誌が発行され、メディア露出が多くなったために、情報の遅れがほとんどなくなったという状況で、SIGGRAPHへの日本からの参加の意味がデザイナーにとってなくなったような感じが今年のSIGGRAPHに行くまで感じたのですが、SIGGRAPHを終えて、逆にこれからはよりSIGGRAPHに行くことのメリットが今後は大きくなるのでは無いかと思うようになりました。
今後のツールの高性能化の方向性は「より柔軟なカスタマイズ」というものに向かっています。「どのように使うか?」という課題が「どのようにカスタマイズしてイメージを造り出すか?」というより具体的な課題に対してデザイナーが取り組むように今後はなるのでは無いかと思います。「ツールのスクリプトを組んで製作環境を構築するデザイナー」といった役割もありうると考えます。それだけツールのスクリプトは柔軟で入り口が広くなったといえます。またより複雑な制御にも十分対応できるだけの機能であるため、プログラム面に於いてもスクリプトによるオリジナルツールの作成やカスタマイズと言った作業もより多くなるのでは無いでしょうか。

また、ゲームと言う分野に於いては、「PlaySation2」の影響はSIGGRAPHでも来年以降、大きくあらわれることが、今年のPanel「How SIGGRAPH Research is Utilized in Games」でも議論されており、より高度な画像処理が可能になることで、SIGGRAPHで発表される最新の技術に関してもそのまま取り入れることも可能になるのではないかという意見がでていました。SIGGRAPHに於いては「今後GEMEシーンに関しては大きく変わる」という意見が大多数を占めており、よりこの分野に特化したトピックが来年のSIGGRAPH以降たくさん発表されることは間違い無いと思います。12日のレポートにも書きましたが、「より開発者自身が自分のスタイルでゲームをチューニングして、造り出したいイメージを作ることができるのは、コンシューママシンよりもPCの方だ」という意見が非常に印象的な海外のゲーム開発シーンでは、こういった状況を予想したしたためか、今年はゲーム関係者の参加が多くなったそうです。具体的な技術的アイデアの収集の場としてSIGGRAPHに参加するようになったのでは無いかと思います。