今日からコースが開始されます。今日は半日コースのFun & Games: An Introduction to Art-Based Game Modding を受講しました。Moddingとはゲームエンジンを利用したオーサリングのことで、要はツクールシリーズのようなツールでゲームを作成する事です。こちらではPCゲームのHalfLifeでこのModツールが公開されており、いろいろなバリエーションが独自に製作されたり、パッケージとして発売されています。 Modを使用する事で、プログラム知識が無くてもゲームのようなインタラクティブなコンテンツを製作できる事例の紹介なのですが、事例として紹介されたものはHalfLife エンジンを使用したもので、NPCから逃げながらどれだけグラフィティ(壁に描かれる落書き)を描く事ができるか?とか、実際のバトルフィールドに自分のグラフィティを残すようなパフォーマンス、ゲームフィールドでのお祈りといったもので、個人的に意見は別れますが私の印象では「ゲームという表現を取り入れた社会風刺」といった趣向が強い印象を持ちました。(コンテンツに対する批判的な意見を掲載して、そのコンテンツを紹介するといったプレゼンテーションがありましたが、お国柄でしょうかブラックジョークとして受講者も笑っていましたが、日本だとちょっと違う反応になるかもしれません。よく最近言われている「こういったゲームの表現が精神に・・・」といった下りの反応です。)使用しているModがhalfLifエンジンと言う事もあり、最終的には1人称シューティングゲームの形態を取る形になり、おのずと表現内容もそのような物に則した内容になってしまいます。この部分で今回紹介された事例の限界を感じました。しかしModというプログラムの知識無しにゲームと言うスタイルの表現を創造する事ができるという点は大きく評価できるものだと思います。日本でも、オンラインゲームで集団で何かを行うようなパフォーマンスを行うといったイベントは行われています。こういった新しい表現はゲームの新しい方向性を見いだす材料になるのではないかと感じました。
午後からはHoudiniのユーザーミーティングに参加しました。会場はいつものホテルの広い部屋ではなく、大きな音楽ホールでした。LAでSIGGRAPHを開催する際にフィルムショーに使われているような大きなオペラホールです。参加人数も今年は幾分多いような。これには理由がありました。これに関しては後ほど。ユーザー事例はX-MEN2のストームエフェクトとXXXの雪崩エフェクトでした。ストームエフェクトは先日見学したRhysm&Heuse社の製作で日本人アーティストの岡野さんからもお話が聞けました。 XXXの雪崩エフェクトはオリジナルSOPを使って、雪の崩れ具合や雪煙など細かくエレメントを分けて、それぞれに最適なパーティクルが設定されていました。
製品情報としては早くもHoudini6.1のアナウンスがされました。単なるバグフィックスバージョンではなく、細かな機能が多く追加されています。6.0でサポートされたデジタルアセット機能はあらかじめプリセットされた機能がいくつか用意されるようです。デモンストレーションでは簡単に設定できる植物モデリングの機能が紹介されました。中身はL-system-SOPなど複数のSOPの集合体ですが、オブジェクトレベルはオペレータが1つだけ、パラメータには必要なアトリビュートがプリセットされた形で組み込まれていました。自由に形状をインタラクティブに変更するセットもあり。また人の上腕筋肉のセットの紹介もありました。キャラクタセットアップも機能が使いされており、自動的に作成する事ができるフットプリント機能等は使いやすそうでした。これらの機能が全て Houdiniでサポートされている機能をまとめたものになっていると言う点で改めて、Houdiniの柔軟性を強く感じました。今後はアセットのプリンストール部分がどんどん追加、アップデートされる部分に期待したいです。プレゼンテーションされたVer6.1は予定では秋頃のリリースになるそうです。
パーティーの会場の様子です。今年は参加人数が多いと前述しましたが、実はリクルートブースが設置されており、デジタルドメインなど大きなプロダクションがこのブースに参加している関係で、これを目当てに参加している人が多いとの事です。実際のユーザーはもっと少ないとか。しかしハリウッドでのHoudiniの人気は相当あるようで、トレーニングの需要に対して供給が追い付かないほどだそうです。 29日の深夜から別のパーティーも企画されているのでこちらにも参加予定です。