SIGGRAPH初日です。レジストレーションが午前中から、セッションは午後からの開始となります。まずは、ネットでレジストレーションした受領書を持って、カンファレンスパスと引き換える為にレジストレーションブースに向かいます。ここ数年はバーコードをかざしたり、受領番号を入力するだけで、カンファレンスパスがプリントアウトされる流れになっています。
レジストレーションブースに入ると、いくつかの窓口がありますが、ネットで事前にレジストレーションを済ませている人はBadge Lookup and Printに並びます。ノートパソコンに接続されたバーコードリーダーにプリントアウトした受領書のバーコードをかざすと、氏名とバッチ番号が表示されるので、内容を確認してPrintをクリックすると、出口にあるプリンターにカンファレンスパスがプリントアウトされます。バーコードがなかなか読み込めなかったり、受領書のプリントアウトが無い場合は直接バッチ番号を入力することもできます。窓口で名前を呼ばれたら、カンファレンスパスとパスフォルダー、DVD-ROMの引換券、レセプション券を受け取ります。
Badge Lookup and Printの反対側にMerchandise Pick-upでDVD-ROMを受け取れば、レジストレーションは終了です。DVD-ROMはパッキングされた袋を渡されるので、必ず内容を確認しましょう。また、レジストレーションの際に色々グッズを購入した人は一緒にピックアップされているはずなので、これもチェックします。
グッズを申し込まなかったけど、実物見たら欲しくなった、という人はSIGGRAPH Storeで買いましょう。期間中、いつでも買えますが、セッション中に買い物した物を持ち歩くのも面倒なので、レジストレーションの日に買ってしまうのが楽です。自分はおつかいで頼まれたVideo Reviewを購入しました。
レジストレーション完了後に一旦荷物をホテルに置きに帰って、セッション前に腹ごしらえです。本日のランチはJapaDoc。ホッドドックを日本風にアレンジしたオリジナルドックです。とはいっても、テリマヨドックとかおろしドックとかオリジナリティ満点のメニューがずらりと並びます。人気があるようで、注文するにも結構並びました。
そして、並んで注文したのが、コロッケドックに七味ガーリックフレーバーのフレンチフライのコンボ。コークが付いて$8.87でした。こちらのソーセージは大きいので、コレだけで十分お腹いっぱいになります。屋台のお店なのですが、何カ所かで営業しているようです。
●A Unified Dynamics Pipeline for Hair, Cloth, and Flesh in “Rango”
日本でも近日公開される『ランゴ』のヘアやクロス等ダイナミックスのパイプラインに関するショートセッションです。ILMのVFXファクトリーとしての長い実績をフルCGアニメーションに活かすとどのような作品が生まれるか?という点について個人的に非常に興味のある作品です。セッションのテーマであるダイナミックスに関しても、これまでのVFXワークのノウハウが活用されています。クロスやヘアなど一見すると異なる仕組みで実現されているように見えますが、基本的な部分はマス・スプリングを利用したソルバーでコントロールされています。2007年制作の『The Spiderwick Chronicles』をきっかけにマス・スプリングシステムをベースとしたPhsyBAMを取り入れ、『ランゴ』でも活用されています。登場するキャラクタ化した動物はクリーチャーデザイン的なアプローチで毛や脂肪の動く表現やクロス表現に使用されています。基がシンプルな分処理も早く、シミュレーションでありながら、それぞれの表現をクリエイトできるようにツールが設計されています。シミュレーション的な部分を使いながらも、アーティストが表現としてコントロールできる余地というか、柔軟性を残しておくことが、シミュレーション系の表現では定着した考え方になっていると思いました。
●Art Gallery
ランゴのセッション以外にもうひとつ、お目当てのセッションがあったのですが、スケジュールが変更となっていました。orz 初日からArt Galleryがオープンとなっていたので、Technical Papers Fast ForwardまでArt Galleryを見学しました。
・tele-present wind
涸れた草が不規則にユラユラ揺れるのは、屋外に設置された加速度センサーを基にコントロールされています。風のデータ化と再現、風のMOCAPとも解釈できるかな、と仕事目線が入ってしまいましたが動きの面白い作品です。
・Memoirs
古ぼけたアナログテレビの上に置かれたポラロイドカメラが、前に人が立つのを検知して、シャッターが自動的に降ります。実物のインスタント写真は射出されず、代わりにテレビの中に撮影された画像のポラロイド写真が3DCGといて射出されます。見た目はアナログ、中身は最新技術といった感じでしょうか。
・RolyPoly
2つ1組の卵形のオブジェは双方向の動きを再現する仕組みになっています。片方を動かすともう片方が同じ動きを再現します。双方の扱い方によって、いろいろな動きになるのが面白いですね。相手の動きは少なからず、自分の動きに影響されている。それは相手も同じというループの関係が面白いです。
・Transplant
手前のオブジェクトと奥のスクリーンへの映像投射が特徴の作品。ガラスと短冊のオブジェクトが投射されるイメージとリンクして、単に投射するだけとは違う映像効果が表現されています。 ちょっとプロジェクション・マッピングを思わされました。
●Technical Papers Fast Foward
SIGGRAPH初日の名物セッションとして定着しているFast Fowardですが、今回は会場がいつもより狭いという事もあって、開始15分前には、ほぼ満席状態となってしまい、サテライト会場が用意されたようです。自分は少し早めにセッション会場に入ったので、生で見ることが出来ました。今年は心無しか笑いを誘ったり、趣向を凝らしたプレゼンテーションが少ないように感じましたが、そこは内容勝負ということで、「あ、これはちょっとみたいな」というものが結構ありました。
今日はテクニカルアーティストMLメンバーで地元バンクバーのゲームスタジオで働く方から飲み会のお誘いがあり、参加しました。今年は日本のゲーム業界からのSIGGRAPH参加者が本当に多いです。バンクバーで働く方々から、ワークスタイルやゲーム開発についての考え方等色々とお話が出来て充実した飲み会でした。会場のALPHA Global Sushi & Barのバンクーバースタイルの日本料理も美味しく頂き、盛り上がりすぎて終わったのは日付が変わってから。。。そしてホテルに帰って日記を書くとSIGGRAPH初日からちょっと羽目を外しすぎたかもしれませんw