コンベンションセンターは2つのブロックに別れており、それらを繋ぐ2階部分がテント張りの広場のようになっている。ここにフードサービスが設置されていて、ランチタイムは人でいっぱいになる。今年はこの広場にパネルと来年のSIGGRAPHのブース、インターナショナルセンターなどが設置されている。
来年のブースではおなじみのポスターがもらえる。2008年はシンガポールでも開催!!
前年度と今年の終了したてのセッションのビデオが有料でCDに焼ける。これとフルカンファレンスDVDがあれば、お家でSIGGRAPH出来る??
ゲームトーナメントなどもやっている。もちろん公式なイベント。
The Morphology of Digital Creatures
デジタルクリーチャーをデザイン、セットアップ、アニメートする上で存在感のクリーチャーにするためのメソッドの紹介。動物の動きや体の仕組みなどを十分に検証すること、ドローイングで体の構造や動きを第三者に理解できるようにする工夫などが紹介された。映画では筋肉表現がスタンダードな手法になりつつあるが、ただ単に筋肉表現が重要なのではなく、現存する生き物を十分に観察し、体の仕組み、解釈をうまく架空の生物に落とし込むことがポイントになる。筋肉のレイアウトのポイントを知りたかったのだが、PAPERと時間が重なっていて、前半の導入部分しか受講できなかった。デザインドローイングの解説では、採用されたものからボツなったものまで、様々なクリーチャーのデザイン画を例に良い例、悪い例を説明しており、キャラクタセットアップの参考にもなった。時間があったら全部受講したかった。
PAPER Performance Capture
モーションキャプチャに関する新しいアプローチが紹介された。全身モーションでは光学式に代わる、センサーを使ったアプローチのものが、フェイシャル、クロスのキャプチャなど、まだ「キャプチャ」をテーマにして探せば色々ネタはあるものだなと感じさせられた。
Multi-Scale Capture of Facial Geometry and Motion
サーフェイスキャプチャ、マーカーキャプチャ、ビデオキャプチャ、それぞれの利点をハイブリッドに取り入れて、より細かなディティールをキャプチャしてしまおうというもの。特に顔のしわをより明確にキャプチャするために皺の寄る部分にに色分けしたパターンをメイクして、その面積を評価して、皺の具合を生成するという部分が面白かった。モーションキャプチャはハード的に以前と比較すると、格段に精度は上がっているのだが、全身のキャプチャと比較して狭い範囲に複数のマーカーが集中するフェイシャルに関しては、制度の上がった光学キャプチャでさえも、微妙なフェイシャルの動きをとりきることは難しい。決定的なメソッドが無い現状では、このような複数のアプローチをハイブリッドに取り入れるというのもひとつの回答なのかもしれないと思った。
Capturing and Animating Occluded Cloth
特定のパターンの衣装を使って、パターンをトラッキングすることで布の動きをキャプチャしてしまおうというメソッド。布をキャプチャするというアプローチは珍しい。(以前、チャレンジしたけど、結構難しいのだ)ビデオからパターンを認識して、トラッキング。エラーの判定と取りきれなかったデータの復元など、技術的に超えなければならないハードルが幾つもあるようだ。布の表現としてはモーションデータを絡めて、シミュレーションを使うという手法が多いが、布に意図した動きをさせたい、それをアクターが演じているといったケース(フラメンコとか??(笑))ではキャプチャというアプローチがあっても良いのかもしれない。精度やスピードが上がれば、マーカーレスキャプチャにも応用できるかも?
Practical Motion Capture in Everyday Surroundings
ジャイロセンサーと高周波の2つのセンサーを組み合わせたモーションキャプチャの紹介。(なんだか、ハイブリッドっているのが多いなぁ・・・)カメラレス、スタジオレスという利点は大きいかもしれない。ジャイロセンサーのキャプチャーシステムは既に市場に存在するが、高周波を使うことでより精度の高いモーションキャプチャを実現しているとのこと。18のジャイロセンサに加えて、四肢の部分のセンサーから高周波を出して、胴体、頭部に複数セッティングしたマイクで受信して、それぞれのマイクからの音で、四肢の距離を評価している。ジャイロからの回転情報とこの距離情報によって、最終的なマーカーの情報が得られる。将来的にはGPSなども組み合わせて、グローバルの移動情報も取れるようにしたいらしい。アクロバティックなスタントシーンでは高価なセンサーを使うリスクを伴うので、向いていないと思うが、デモ映像ではスキーや自転車などアウトドアでの収録を行っおり、こうした需要にはマッチしているかもしれない。
Prakash: Lighting Aware Motion Capture using Photosensing Markers and Multiplexed Illuminators
高速プロジェクタと感光タグセンサーを組み合わせたモーションキャプチャシステム。出発直前に詳しい解説がCG WORLDに掲載されている。カメラでマーカーの位置を収録するのではなく、体に光学的なセンサーを取り付けてデータを取得している。実物がEmarging Technorogiesに出展されていて、服に縫いこむような使い方もできそうなコンパクトなものだった。(でもスタントシーンでマットとか使ったら、壊れるかも・・・)プロジェクタからの光が当てられていれば、ある程度のブラインド状態でもセンシングが可能で、各センサーは異なるIDで識別されているため、不整合が発生しにくい。現状は早い動きには対応に限界があるようだ。光学キャプチャと比較して低コストなのが特徴らしい。2Dキャプチャから3Dキャプチャまでシステムの拡張に幅があるので、使い方によってはコンシューマーレベルで活用できるシーンが多くあるかもしれない。
SOFTIMAGE USER MEETING
宿泊しているホテルからほんの数分のシアターで行われた。個人的目玉はシド・ミード氏の講演。自分の年代のSF映画大好き人間にとっては、もう神様みたいなもんです。一緒に写真までとってもらってしまった。とってもフレンドリーな方だった。ってこれではSOFTIMAGEのUSER MEETINGの内容になっていないか・・・将来のバージョンのための技術研究報告でお披露目されたMOONDUST、これがHoudiniのオペレターのコンセプトにとてもよく似ている。いわゆるグラフィカルインタフェースによるカスタマイズを可能にしている。パーティクルやサーフェースのコントロールも可能。技術者がノリノリでいろんなデモを披露していた。SOFTIMAGEがHoudini化するのか??