ジーディーシー日記 -4日目-

GDC2008

4日目に突入すると、会場が急ににぎやかになる。前半2日のTutorialなしのカンファレンス・パスで参加する人が多いのと、機器展、基調講演などが開催されるためだろう。機器展は昨年とは異なり、North Hallになったが、規模は昨年とあまり変わらないようだ。カンファレンスの合間で視察しようと思う。

GDC2008

FIFA08 Be A Pro
EA Gamesのサッカーゲームタイトル。昨年はこのシリーズで使用されているプロシージャル・アニメーションシステムのセッションがあり、個人的にはプロシージャルアニメーションで、ここまでできるのかと思わされた。今回はGame Design面からのセッション。このタイトルはシリーズものでありながら、遊び方を従来とはまったく異なる方法に切り替えている。従来、11人のチームをコントロールする遊び方から終始1人の選手としてプレイするスタイルに切り替えている。新たなサッカーゲームの楽しみを提案する試みは時として、ユーザーに対して不親切な改悪になる可能性もある。このタイトルでは、新たな楽しみを提案し、その面白さをストレスなく受け入れる工夫をいくつも考えたとのこと。

カメラ・システム
1人の選手としてプレイするスタイルは、プレイヤーによりサッカーに没入し、あたかも選手になって、スタジアムにいるような気分を楽しんでもらいたいということが出発点になっている。1人の選手としてプレイしゲーム中に起こるさまざまな状況を1人称で感じ取るFEELINGを重要視して開発は進められたようだ。
サッカーのゲーム中にはオフェンス、ディフェンス、ドリブル、パス、シュートなどさまざまな状況が随時変化する。これらの変化を感覚的に感じることができるように、カメラを状況に合わせて変化させている。自分がボールを追っていたり、オフェンスの状況にいる場合、また、ボールを持った初期段階においては、カメラは俯瞰の引いた構図になることで、移動スピードがゆっくりと確認することができ、戦略を練る時間を持つことが可能になる。自分がボールを持ち続けると、カメラは3人のビハインドビューに滑らかに変化していく。視野が狭まり、移動のスピード感が増し、没入感が強くなっていく。さらにゴールに近づくと、カメラがぶれ始めて、何かアクションを起こすよう、緊迫感を強調させタ演出が入る。こうしたカメラの変化によって、自分の置かれている状況を直感的に感じ、またその状況に適したプレイが行いやすくするように工夫されてる。

何をすべきか提示するシステム
常にボールを追い続けるような状況にならないよう、プレーヤーのおかれている状況に対応して、何をすべきなのか、簡単なインフォメーションで直感的に認識できるように工夫されている。たとえば、ボールを持ったり、パスを受けた場合は、どの方向に進むべきか、矢印のアイコンによって示される。また、ディフェンスする場合はどのプレイヤーをマークすべきなのか、相手の足元にサークルで示される。サークルは距離によって大きさが変化して、距離感もつかめるようにしている。3人称視点の場合、画面外のチームメイトの存在やオフサイドラインの認識などが難しくなるため、こうした情報もアイコンと色の濃さで直感的に認識できるよう工夫されている。

推奨プレイの学習
サッカーゲームらしいプレイをプレイ中に学習するシステムとして、パスやシュートなど、状況に対して小さな課題、マイクロチャレンジを取り入れて、状況に対応した適切なプレイを行うことで評価ポイントが加算され、不適切なプレイには評価ポイントが減点されることにより、プレイしながら体感的に適切なプレイを学習できるようにしたとのこと。また、テストプレイで調査を行い、パターン化しないように96科目のマイクロチャレンジを用意したそうだ。たとえば、パスを促すコールを適切なタイミングや状況で行わなかった場合は評価ポイントが減点されるといったように、チームの中の1選手として、行動し、ボールを追い掛け回すような状況にならないようにしている。

GDC2008

今日はデベロッパーとの打ち合わせがあり、カンファレンスは1つだけ。少し機器展を覗いて、夕方からGAME AWARDSに。前回も思ったのですがお祭りイベントといった感じ。また、海外での評価されているタイトルの傾向が日本と異なる点が見られるのが面白い。因みにGAME of the YearはPortal。日本ではPCタイトルしか展開されていないが、北米ではXBOX360、PLAYSTATION3でも展開されている。無機質なビジュアルに新機軸のゲームシステムはゲームの本質を感じることができる良質のタイトルだと個人的には思う。日本でコンソール展開されないのがもったいない・・・