Touch077のもっとも大きな変化として、コンポーネントの概念が取り入れられたことがあげられます。コンポーネントによって、目的のエレメントを簡単に参照、編集する事が可能になりました。
コンポーネントは、Touchのモジュール方式を発展させたものと言えます。ネットワーク、エフェクト、ガジェット、シンセ、プロジェクトなどを1つのノードにパッケージすることができます。コンポーネントの目的は、オペレータを操作するレベルの上の高いレベルをユーザーに提供することです。これにより、他のユーザーの製作したシンセファイルの解析が簡単になり、ノウハウの共有やTouchの学習が劇的に行いやすくなったといえます。
コンポーネントは従来のObjectと置き換えられたものです。Objectにあったタイプの多くを、Componentタイプでも見ることができます。Touch017では、ObjectsはSOPネットワークを含んでいました。Touch077では異なるタイプのノードが混合した、ネットワークをコンポーネントに構築することができます。
たとえば、ムービー入力を持ったコンポーネントを作成して、パネルでhueシフト制御可能にセットアップします。さらに、このネットワークにparticle SOPを追加して、hueシフトしたテクスチャーをスプライトとして適用することができます。すべてを独立したSOP、CHOPとCOPネットワークではなく、1つのコンポーネントに配置することができます。
コンポーネントはデータの入力と出力を設定することができます。コンポーネントは内部のデータをオペレータや他のコンポーネントと共有することができます。各オペレータにはタイプごとに、2つのオペレーター「In」と「Out」があります。この2つのオペレータをコンポーネント内部に追加すると、コンポーネントの左右に入力/出力が表示され、データを流すことができるようになります。入力はコンポーネントの左側に、出力は右側になります。複数の「In」「Out」のオペレータがある場合は、オペレータ毎に入力・出力が表示されます。
オペレータを入力/出力に接続することができます。以下はノイズをデータに適用するNoiseコンポーネントの例です。コンポーネント内部はこのような感じで・・・
コンポーネントの外側はこのようになります。
コンポーネントは入れ子にすることできるので、ネットワーク中に更にネットワーク作成することができます。コンポーネントの中に移動するには、コンポーネント選択して、<enter>キーまたは‘i’キーを押します。ペーン上にあるパス表示の小さな黒い矢印を押して、コンポーネントを選択することもできます。階層を上がるには、‘u’キーを押すか、コンポーネント名の前の‘/’をクリックします。移動に手軽に使用できる、‘Back’、‘Forward’ボタンで簡単に移動することもできます。
コンポーネントは、Touch017の親子階層のように、垂直方向に接続することができます。
各コンポーネントは固有の特徴があります。例えは、Geometry CompにはDisplayパラメータがあり、Camera CompにはViewパラメータがあります。オペレータ・メニューで明るいグレーで表示されている、オブジェクト系のコンポーネントには、ディスプレイ・フラグ(青)、レンダー・フラグ(紫)、ピック・フラグ(橙)があります。