「映画化は困難だといわれた原作」なんてコピーの作品が色々あるが、個人的にはこれもそのうちの1つに入るんじゃないかと。原作ではもうおなじみとなった枠外の細かな解説、コメントはちょっとしたコラムのレベルで、色々とメッセージがこめられている。メインのエピソードとはちょっと外れた、問答のような会話とかにもメッセージやキーワードが込められているのだが、こういう部分って、映像で表現すると面白く無いんですよねぇ・・・で、以前、OVA化したときも同じ手法だったが、原作にあるいろんなエピソードや美味しいシーンを組み合わせて、テーマは絞ってシンプルに・・・という感じに仕上がっている。うん、原作より明らかに分かりやすい。(あちこち無理な展開もあるんだけど・・・)
フルCGになったことで、ランドメイトはよく動いてるし、ダミュソスでブンブン飛び回る映像なんて、CGでないと表現できないだろうなぁ・・・と思ったが、キャラクタは・・・・・まだまだ課題ありかと。色々とこだわっているようには見られるのだが、まだまだ目標に到達していないような。

MOCAPを使っているのだが、何気ない仕草がなんだか気持ち悪い。
キャラによって、動きの仕上がりにムラあるのに気付いてしまう。
表情が・・・まだまだこれからでしょうなぁ・・・
トゥーンの線の表現、影の表現、いかにセルっぽく見せるかが今後のカギ?
全部プログラマブルにコントロールしても、手書き表現には到達しないような・・・背景CGにしても同様。
まぁ、この辺りが上手く吸収、昇華することが出来れば、日本独自のフルCGアニメスタイルの表現が確立することが出来るのでは??

APPLESEED
士郎正宗 荒牧伸志 小林愛
ジェネオン エンタテインメント  2004-11-25
by G-Tools

2 thoughts on “アップルシード”

  1. APPLESEED、日本製のCGアニメとしてはよく出来てる方だよね。方向性は間違って無いんじゃないの?
    トゥーンシェードのクオリティアップとやっぱりモーションかなー。
    キャプチャーすると、どうしてもオーバーアクションになっちゃうね。動きの激しいシーンなんかは問題ないんだけど、ちょっとした日常の仕種とか微妙な動きは弱いね、逆にこういうシーンは手付けの方がしっくりくるような気がするよ。なんでもかんでもキャプチャーってのはどうかと思うね。適材適所だね。舞台演劇見てるんじゃないんだからさ、通常の会話でそんな身ぶり手ぶりで会話しないっしょ(苦笑)
    そういうところで不自然さが出てきちゃうのかな。
    ま、これはアクション映画だから、そんなに気を回す所じゃないんだけどな。

  2. コメントどうもです。
    キャプチャは動きを完全に再現しているのではなく、見た目認識できるレベルで真似ているだけなんで、微妙な演技は弱い。で、結局オーバーアクションになりがちになってしまうのだが、セルアニメ、特に日本のアニメーションって、コマを削って削って動きを整理していくことで、得られた様式が確立していて、正直に使っちゃうと相反するものになりがち。ここら辺をどうまとめていくかってことかな。技術云々よりは作り手、特にアニメーターの考え方じゃないかなぁ・・・今は表現するための技術を確立して、実践していくのが精一杯、様式まで昇華するには色々課題はあるんじゃないかな。アクションだけやってれば良いって言うもんじゃないし。因みにアクション部分って、こういう問題に直面しにくい&ある程度見えてきている?っていう気はするね。

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